名古屋大学人文学研究科 Graduate School of Humanities / School of Humanities

日本史学 JAPANESE HISTORY

大学院

 本研究室に事務局を置き、地域や大学の枠を越えて日本史の研究活動を定期的に行っているものに、名古屋古代史研究会、中世史研究会、近世史研究会、近現代史研究会、名古屋歴史科学研究会などがある。これら研究会は、若手研究者が集い研鑽を重ねてゆく良い機会を提供するものであると同時に、必ずしも研究を専門にするわけではないが地域の歴史に深い関心を寄せる社会人たちも多く参加するから、東海三県における日本と日本人の歴史を深く究めたひとたちのすそ野を広げる役割を果たしている。本研究室は、そうした意味で東海地域における日本史学研究の中核的な役割を担っているといえる。そして近年では、韓国・中国・台湾など東アジアの大学・研究機関で日本史・日本文化を研究する若手研究者との交流も増え、当研究室の大学院生で海外での国際学会・研究集会・シンポジウム等で口頭発表をする者の数も着実に増加している。

 こうした研究環境のもと、博士課程前期課程(MC)では、文献史料をもとに歴史像をたちあげることに関わって、自ら課題を発見し、史料にもとづいて実証する能力の養成に力を注いでいる。自らの研究課題を研究史上に位置づけて論として構成し、口頭発表を行い、批判に応えてさらに論証を精緻にして深めゆく忍耐力を鍛え、修士論文として完成させてゆくのである。この課程を終えた者で、東海三県の公立私立学校(中学・高校)社会科・地歴科教員になる者や公務員(国立国会図書館、愛知県、名古屋市ほか)や民間企業への就職を選択する者も最近では増えているが、各分野では高い専門性をもった社会人として評価を受けている。一方、MCを終えて博士課程後期課程(DC)に進学する者たちは、研究者の卵としてさらに専門性を磨くことになる。博士学位取得のためには客観的評価(査読)を経た学術論文の公刊が求められるから、最新の研究動向を見据えながら、史料読解と論証の能力をさらに研ぎ澄ませてゆくこととなる。

  当研究室では、四名の専任教員が古代から近現代にわたる日本史の各時代をカバーしており、大学院生たちひとりひとりの問題意識・関心・能力に応じてきめ細かな指導を継続的に行ってきた。史料読解と論証能力の涵養に重点を置きながらも、フィールドワークや隣接諸科学の方法論にも学びながら最先端の研究指導ができるよう努めている。

担当教員
学部

 毎年、日本史学研究室にはさまざまな関心をもった学生たちがやってきます。なかには織田信長や坂本龍馬が好きだから日本史をやりたかった、という学生たちも少なからずいます。ところが、研究室の講義・演習を経験してゆくうちに、不思議と、古代から近現代にいたる各時代に関心がばらけてゆきます。高校までに経験してきた日本史と大学の日本史とがずいぶんと違い、信長や龍馬以外にも面白いテーマがたくさんころがっていることに気づいてゆくからだと思います。

 日本史学研究室では、2年生・3年生のあいだは、ひとつの時代に偏ることなく、まんべんなく日本史研究の基礎となる文献・古文書など史料の読み方を訓練します。また、各教員が関心をもって進めつつある最先端の専門研究に触れながら歴史学の考え方を学びます。演習科目では、与えられたテクストについて学生が主体的に調べ、報告し、討論します。学生相互、あるいは大学院生や教員を交えた討論を経験し、ときに報告のやり直しを求められたりしながら、史料の読み方・調べ方や歴史学的な考え方について、自分一人では気づかなかった多角的な接近方法を体得してゆきます。また、歴史の舞台となった現地を実際に歩く「フィールドワーク」の授業を通じて、空間的・視覚的に歴史を体感できます。愛知県内外の博物館・資料館をめぐって展示の実際を学び、ふだんは見られない収蔵庫のなかで学芸員の方々の現場の声を聞けたりします。

 4年生になると、そうやって培った日本史学の教養力を土台にして、自分自身の力で日本史上の新たな課題を発見し、その学問的な解決へ向けて約一年間、卒業論文の作成と向かいあいます。

 日本史学研究室には、古代・中世・近世・近現代の各時代を専門領域とする教員が揃っています。学生の皆さんが興味関心を抱く時代を専門分野とするそれぞれの教員のもとで、同じような訓練を経てきた同級生たちと切磋琢磨しながら密度の濃い学生生活を送ることができます。そして、本研究室の卒業生は、大学院へ進学するだけでなく、東海三県の中学・高校の社会科・地歴科教員や公務員(愛知県・名古屋市ほか)および国立大学法人図書館司書、銀行・JAなど各種民間企業へと巣立っていきます。

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