英語学 English Linguistics
大学院
創設以来、当専門における研究と教育の基盤は英語の共時的研究と通時的研究の実証面と理論面からの融合にあり、個人は別としても、専門全体としてこうした方針を維持している例は世界的にも極めて少ない。近年では、こうした特色が内外の関連学会において広く認知されている。英語はゲルマン語派に属する言語であるが、1066年のThe Norman Conquest以降、約300年間もフランス語がブリテン島支配層の言語であったという歴史的事実を見ても分かるとおり、英語は数奇な歴史的変遷を辿ってきた。他方、今日では世界の「共通語」として世界各国で使用され、多種多様な英語の方言が生じてきている。このような言語であるからこそ、共時と通時の両面からのアプローチが必要とされる。
20世紀後半の米国の言語学者N.チョムスキーによって提唱された生成文法理論の輪郭が見えてきた段階で、言語研究の焦点が現実の言語運用を可能にする人間頭脳の内的構造に移行すると、英語学の分野でも母語話者の内的言語能力を追究する認知科学的研究が進んだ。当専門もこの点に注目し、一般言語理論の研究を進めると同時に、現代英語の電子コーパスだけでなく史的電子コーパスも導入し、英語に関する言語事実の観察を重視しながら、共時的研究と通時的研究の融合を目指している。
当専門の大学院生は生成文法を中心とする一般言語理論、および英語の共時的・通時的研究の方法論を身につけ、博士後期課程修了者の多くが日本全国の大学で教鞭をとっている。
当専門の指導可能領域は、英語学の諸領域(統語論、意味論、音韻論、形態論、語用論、書記体系論、英語史)、生成文法、概念意味論、認知意味論、歴史言語学、日英対照言語学、コーパス研究である。
担当教員
学部
人間には生まれながらに備わっている生得的能力があり、言語を使用する能力の少なくとも一部はその種の能力に由来すると考えられています。例えば、よく似たWhen did you say that you hurt yourself? と When did you say how you hurt yourself? という疑問文に対して、前者では言った時間とけがをした時間という2通りの答えが可能ですが、後者では言った時間のみが適切な答えとなります。英語を母語とする子供であれば、周りの大人から教えられることなく、この2つの疑問文に対して正しく答えられるようになります。また、同種の疑問文に対する答え方の違いは英語以外の言語にも見られます。したがって、この違いには生得的かつ普遍的な能力が関与していると考えられます。このような能力は音韻、形態、統語、意味など言語の様々な側面において多数発見されており、近年の英語学ではこのような能力が英語のどこにどのような形で現れているのかを研究しています。
英語が世界の共通語と言われている時代ですので、実用的な英語力も重要で、読む、書く、聞く、話すといういわゆる4技能も必要であるという観点から、授業の中で英語の運用能力を高めるための活動を取り入れています。また、卒業論文やレポートで自分の考えをまとめる際には、英語母語話者の発話からデータを集めたり、コンピュータを用いてデータの検索や分析をすることも重要な作業です。
卒業生の就職先は、一般企業、公務員、教員など多岐にわたっており、英語学を学ぶことにより培った英語力や論理的思考力を生かして社会で活躍しています。また、大学院進学という道を選択する人もおり、その多くが日本全国の大学や高校で教鞭をとっています。
担当教員
各学繋
言語文化学繋
英語文化学繋
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