名古屋大学人文学研究科 Graduate School of Humanities / School of Humanities

超域文化社会センター 機関誌「JunCture」

機関誌「JunCture」

『JunCture 超域的日本文化研究』第10号刊行のお知らせ

  

juncture_10_index.png

  JunCture (ジャンクチャー) 超域的日本文化研究 第10号

  

  特集 「ジェンダーズ」

  発行年月:2019年3月25日
  URL:名古屋大学学術機関レポジトリ

巻頭メッセージより

 ジェンダーをめぐる現実は、大きく変化してきた。ことに重要なのは、ジェンダーは「男」と「女」だけではないということである。ジェンダーの多数性を語る例として、しばしば言及されるフェイスブック(英語版)のジェンダーのカスタム設定は、五十八種類である。また、パスポートに男と女意外に第三の選択肢を設けた国も、ドイツ・ネパール・パキスタン・バングラデシュ・インド・ニュージーランド・オーストラリアなど、複数存在している。ジェンダー・アイデンティティの多様性を可視化する仕組みが生み出されるのと同時に、アートや文学や映像などの文化領域において、ジェンダー・バイナリの解体を試みた実践も、様々になされている。「男」と「女」という二つのジェンダーだけで、私たちの世界を切り分けるわけにはいかないのである。

 しかしながら、社会や文化に関するジェンダー分析ということになると、依然「男/女」という対をなすカテゴリーの機能の検証に重点がおかれているのではないだろうか。どのように男性性が構築されてきたか、どのように女性は差別されているのか、どのようにジェンダー化がなされているのか。こうした問いは、バイナリな構造を可視化するが、それを揺るがしはしない。「男/女」という二元的構造は現在ももちろん再生産され続け規範的に機能しており、その非対称性も差別性も明らかではあるが、同時にそれを解体することを積極的に志向する分析もなされる必要があるのではないか。本特集は、「ジェンダーズ」と題し、ジェンダーの多数性に目を向け、ジェンダー・バイナリについて問い直すものである。

 以上を企図として、写真、アニメーション、小説、スポーツ、映画、という多種のジャンルを対象とした六つの論考を収めた。簡単に内容を紹介しておく。岩川ありさは、トランス肯定的な批評として、インベカヲリ★の写真集『理想の猫じゃない』における、規範や「理想」が帯びる暴力への抵抗を読み解く。隠岐さや香は、アニメーション作品『おそ松さん』における、新自由主義的経済とヘテロノーマティブな恋愛市場からの疎外の様相を分析し、そこに格差社会への批評性とクィア性を見出す。大橋崇行は、西条八十「魔境の二少女」を中心に、少女向けの冒険探偵小説に光を当て、少女読者と少年読者を区別してきた雑誌文化の前提について再考する。飯田祐子は、『コンビニ人間』『地球星人』など、村田沙耶香の小説におけるジェンダー・クィアな実践をとりあげ、ジェンダー・バイナリへの違和と抵抗を抽出する。谷本千雅子と高島亜理沙は、セクシュアル・マイノリティのスポーツ参加に関する調査を基に、「〈女〉とは何か」「公平性とは何か」「倫理とは何か」と問う。そして最後に、クィア映画の可能性を倫理的に理解するための見取り図を示す論考として、カール・スクーノヴァーとロザリンド・ガルト『クィア、世界、映画』の序論の翻訳(大崎晴美訳)を収めた。

 六つの論考を通して、バイナリな枠組では捉えられない存在や欲望や事象を見出し、その思想や実践を「超域」的に思考したい。(飯田祐子)

[購入方法とバックナンバー]

『JunCture』のバックナンバーの情報については、以下にお問い合わせください。

連絡先:ctcs@hum.nagoya-u.ac.jp

『JunCture 超域的日本文化研究』11号 原稿募集のお知らせ

名古屋大学大学院人文学研究科附属超域文化社会センターは、「日本近現代文化研究センター」(2008年10月〜2013年3月)、「「アジアの中の日本文化」研究センター」(2013年4月〜2018年3月)における日本近現代文化研究および東アジア関係学研究を継承しつつ、さらに広い視野で最先端の人文学研究を推進すべく、機関誌『JunCture 超域的日本文化研究』を刊行しています。歴史・文学・言語・アート・映像など近現代日本・東アジアに関する様々な専門領域から、新たな実践知を目指すジャンルをこえた超域的な分野まで、学内外からの意欲的な投稿を歓迎します。募集する原稿の種類、締切、送付先等は以下のとおりですが、投稿に際しては別添の「投稿規定」に詳細が記されていますので、それにもとづいてください。

[JunCtureとは]

JunCtureというタイトルには、日本文化(Japanese culture)を、学際的かつ国際的な研究課題の結節点(juncture)として捉えようという意味合いが込められています。

[募集する原稿]

(1)研究論文
(2)研究ノート
(3)その他 レヴューなど。

[投稿締切]

2019年9月2日(月)必着

[問い合わせ先]

464-8601 名古屋市千種区不老町
名古屋大学大学院人文学研究科
超域文化社会センター
『JunCture 超域的日本文化研究』編集委員会
問い合わせ先:y-iida(@)nagoya-u.jp(飯田祐子)←(@)を@に直して下さい。

[『JunCture 超域的日本文化研究』投稿規定]

1.刊行の目的

『JunCture 超域的日本文化研究』は名古屋大学大学院人文学研究科附属超域文化社会センターの機関誌として、学際的かつ国際的な近現代日本・東アジア文化研究および新たな実践知を目指す超域的研究の成果を掲載公刊するものです。歴史・文学・言語・アート・映像など近現代の日本・東アジアに関する様々な専門領域から、ジャンルをこえた超域的な分野まで、学内外からの意欲的な投稿を歓迎します。

2.投稿資格

本誌は名古屋大学大学院人文学研究科に附属する超域文化社会センターの機関誌ですが、学内外を問わず、どなたでも投稿できます。

3.募集原稿の内容

募集する原稿は未公刊のものに限ります。ただし学会や研究会の予稿集、科学研究費補助金研究の報告書に掲載されたもの、また学位論文の一部は、加筆修正したものに限り、加筆修正前の 既発表原稿をPDFで添付して投稿することが可能です。

4.募集原稿の種類及び分量

募集する原稿の種類は次のとおりとします。

(1)研究論文

独創的な知見を含む学術研究論文。8,000字(400字詰原稿用紙換算20枚)程度から16,000字(400字詰原稿用紙換算40枚)程度とし、20,000字(400字詰原稿用紙換算50枚)を上限とします。

(2)研究ノート

研究・アートの動向の展望、資料紹介など。8,000字(400字詰原稿用紙換算20枚)程度。

(3)その他

映画・展覧会・アート・メディアなど関連領域に関するレヴューなど。4,000字(400字詰原稿用紙換算10枚)を上限とします。

5.募集原稿の言語及び書式

募集する原稿は原則として日本語としますが、英語など他の言語での投稿も、編集委員会が認めた場合には受けつけます。
本誌は横組みを基準としますが、原稿の内容や性格から編集委員会が必要と判断した場合は縦組みでの掲載の希望も認めます。
「研究論文」については、著者名を伏せて査読を行うため、原稿および英文要旨には、著者の氏名や所属は記載しないで下さい。謝辞等についても別紙(次項6(3))に記載して原稿には記さないで下さい。ただし、「研究ノート」「その他」についてはその限りではありません。

6.原稿の提出

投稿に際しては、Eメールに、原稿を含む次のものを添付してお送り下さい。
・原稿[冒頭に注を含めた総字数(または400字詰原稿用紙換算枚数)を記入、PDFファイル]
・5つ程度のキイワード(日本語・英語)と英文タイトルおよび英文要旨(300語程度)を記した別紙[様式自由]
・論文題目、著者の氏名(よみかた)・所属・職名(共著の場合は全員)、住所・Eメールアドレス(共著の場合は代表者)を記載した別紙[様式自由]

送付先:ctcs@hum.nagoya-u.ac.jp
原則として一週間以内に、投稿受理の返信メールを送ります。投稿受理の返信メールが届かない場合は、再度ご連絡下さい。

7.著作権

本誌に掲載された論文などの著作権は著者に帰属するものとします。ただし、超域文化社会センターは、本誌に掲載された原稿を電子化その他の複製の形態で公開する権利を有するものとします。電子化または複製などによる公開については,採用が決定した段階で承諾書を提出していただきます。
著者が掲載原稿を自身の著作物に掲載したり電子化するなどの手段で公開する場合は、その原稿が『JunCture 超域的日本文化研究』に掲載されたものであることを、号数などを含めて明示してください。その場合、編集委員会にご連絡をお願いします。

8.掲載図版等の著作権

掲載を希望する図版等については出所を明記してください。図版等の掲載の許諾については著者が行い、著作権問題が生じた場合には著者が責任を負うものとします。論文の掲載が決定した場合、著者にはこのことについて、「著作権に関する確約書」を編集委員会の求めに応じて提出していただきます。

【採否及びその通知】

採否とその通知の対応は以下のとおりです。
採用(ただし字句・表現などの修正を求める場合がある)。
改稿を求めるコメントを付け、当該号への再投稿を促す(再審査を行う)。
不採用。コメントを付けて次集以降への再投稿を促す。
不採用。コメントを付けない。

【編集委員会・査読委員・Editorial Advisors】

編集委員会は編集委員によって構成され(必要に応じて査読委員の出席を求めることがあります)、発刊号ごとに委員より編集委員長を選出し、編集委員長は当該号の企画編集に関する責任を負います。編集委員は超域文化社会センター所属教員によって構成し、必要に応じて増員することがあります。査読委員は学内外の研究者に依頼し、担当する専門領域での投稿があったときに編集委員と2人一組で査読にあたります。Editorial Advisorsは国内外の研究者数名に依頼し、編集に参与として加わっていただき、雑誌の企画や投稿者の推薦などに関する助言と提案をお願いしています。

『JunCture 超域的日本文化研究』(第10号)
編集委員会

[編集委員長]

飯田祐子(日本近現代文学)

[編集委員]

青木聡子(社会学)

東賢太朗(文化人類学)

池内敏(日本近世史・近世日朝関係史)

隠岐さや香(科学史)

陳朝輝(近代中国文学)

藤木秀朗(映像文化)

星野幸代(中国近現代文学・舞踊史)

ネイスン・ホプソン(日本近現代史)

[査読委員]

投稿論文の分野に応じて編集委員会が委嘱する

[Editorial Advisors]

池田忍(千葉大学教授、美術史)

酒井直樹(コーネル大学教授、思想史)

四方幸子(東京造形大学特任教授、メディアアート)

陳力衛(成城大学教授、日中言語交渉史)

坪井秀人(国際日本文化研究センター教授、近代文学・文化史)

成田龍一(日本女子大学教授、近代史)

細川周平(国際日本文化研究センター教授、大衆文化史・移民文化)

ミツヨ・ワダ-マルシアーノ(カールトン大学准教授、映画研究)

茂登山清文(名古屋芸術大学教授)

464-8601 名古屋市千種区不老町

名古屋大学大学院人文学研究科

超域文化社会センター

JunCture 超域的日本文化研究』編集委員会

問い合わせ先:y-iida(@)nagoya-u.jp(飯田祐子)←(@)@に直して下さい。

News & Events