名古屋大学人文学研究科 Graduate School of Humanities / School of Humanities

人類文化遺産テクスト学研究センター センターについて

紹介

センター概要

 人文学研究科は、2014年4月、21世紀COEおよびGCOEによるテクスト学の拠点形成の成果を基盤に、人類が残してきたあらゆる文化遺産を対象とした、真に実践的な人文学の横断的研究プラットフォーム創成を目指し、社会に積極的に関与する活動の場として、「人類文化遺産テクスト学研究センター」(CHT)を設置した。本センターの「アーカイヴ部門」は、日本の寺院経蔵の聖教調査、とくに真福寺大須文庫や奥三河の花祭などに伝来する宗教テクストを探究し、「人文学アーカイヴ・リサーチ・ネットワーク」の構築をすすめる。「物質文化部門」は、エジプトやギリシアなど、古代地中海世界をフィールドとして、都市や祭祀遺跡の発掘から碑文の解読まで、フィールドとして、都市や祭祀遺跡の発掘から碑文の解読まで、王権国家から人間の心性に及ぶ多元的なアルケオロジーを探究する。
「視覚文化部門」は、フランスを中心とする西欧キリスト教美術を主な対象として、大聖堂のステンドグラスから装飾写本まで、宗教図像学のイメージ宇宙を探究する。さらに2019年4月からは上記3部門に「文化人類学部門」が加わり、従来進めてきた歴史的・考古学的・文学的研究を人類学的な次元へと拡張し、さらに幅広い活動を目指す。

プロジェクト「宗教遺産テクスト学の創成」

 人類文化遺産テクスト学研究センターの各部門が連携して取り組んでいるプロジェクトが「宗教遺産テクスト学の創成」である。
「宗教遺産テクスト学」とは、「宗教遺産」という概念を新たに提案することにより、従来の「遺産」概念から排除されてきた「宗教」との深く本質的な関係性を、多様な分野に渡る宗教遺産の緻密な事例研究の蓄積により統合的に回復するとともに、当センターで推進してきた「テクスト学」を基盤とする分野横断的な研究プラットフォームを通じて近代以降における「遺産」・「宗教」・「科学」間の危機的な分断を克服することをめざすものである。
「遺産」が多数の破棄されたものの反措定として継承された経緯を明示的に扱い、「遺産」をめぐる歴史を負の様相も含めて捉えなおし、未来に向けて克服すべき課題と解決方策を提案する宗教遺産テクスト学により、遺産概念の再定義および世界の宗教遺産に援用可能な学術領域の創成を目指している。共同研究の第一次成果報告として、『宗教遺産テクスト学の創成』(人類文化遺産テクスト学研究シリーズ第6巻、2022年、勉誠出版)を刊行し、次のステップに向けてプロジェクトを推進中である。

活動分野(アーカイヴ/物質文化/視覚文化)
アーカイヴ部門

1. 寺院資料と民俗資料のアーカイヴ化

大須文庫(大須観音宝生院)の調査研究/花祭資料(奥三河地域)の調査研究
「人文学アーカイヴ・リサーチ・ネットワーク」の構築

2.社会連携としての調査研究実践

南砺市城端別院善徳寺「虫干法会」と聖徳太子絵伝絵解き
聖徳太子絵伝調査研究を中心とする大画面説話画研究との連携
展覧会・フォーラム・シンポジウム・講演会等の企画・実施・共催

物質文化部門

エジプトにおけるヘレニズム文化の調査研究

視覚文化部門
文化人類学部門
学内連携
文化遺産と交流史のアジア共創研究ユニット
研究協力機関
提携機関
協力機関

国内

国外

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