名古屋大学人文学研究科 Graduate School of Humanities / School of Humanities

超域文化社会センター 機関誌「JunCture」

機関誌「JunCture」

『JunCture 超域的日本文化研究』第15号刊行のお知らせ

JunCture (ジャンクチャー) 超域的日本文化研究 第15号

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  特集 「ケアの倫理と人文学─解像度を上げるために

  
  発行年月:2024年3月26日
  URL名古屋大学学術機関リポジトリ

「序」より抜粋

「ケアの倫理」は、これまでの社会が自立した個人を前提として構成されてきたことを根本的に問い直すものである。個人や家族、社会、政治など多層的な水準においてパラダイム・チェンジを生み出すものとして、近年広く関心が高まっており、応用倫理学などによる理論的検証から、社会学や政治学などによる社会構造の分析、また文学や映像学などによる表象分析まで、多様な研究領域で、問題意識が共有されつつ検討が進められている。

「ケアの倫理」は、これから持続可能な社会を生み出していくための根源的な方向性を示すもので、キャロル・ギリガンのいう「もうひとつの声」によって構成されたオルタナティブな理念である。誰もが必ず必要とする依存関係を社会の設計に組み込み、他者への配慮を一つの価値とみなすものでもある。シンポジウムでは、その理念としての意義を確認するとともに、周縁化されてきたケア領域を可視化することの必要性も議論された。またそのうえで、現状のケアの現場やその多様性に目を向ければ、様々な困難や調整の必要な複雑な問題が浮上することも指摘された。ケアの可視化は、現状のケアの単なる肯定にとどまるものではない。「ケアの倫理」を実践していくためにこそ、より詳細にケアの現場の多様性とその困難を注視しつつ可能性を探る考察が必要となるだろう。(飯田祐子)

[バックナンバー]

『JunCture』のバックナンバーの情報については、以下のリンクをご参照ください。

『JunCture』バックナンバー

『JunCture 超域的日本文化研究』16号 原稿募集のお知らせ

名古屋大学大学院人文学研究科附属超域文化社会センターは、「日本近現代文化研究センター」(2008年10月〜2013年3月)、「「アジアの中の日本文化」研究センター」(2013年4月〜2018年3月)における日本近現代文化研究および東アジア関係学研究を継承しつつ、さらに広い視野で最先端の人文学研究を推進すべく、機関誌『JunCture 超域的日本文化研究』を刊行しています。歴史・文学・言語・アート・映像など近現代日本・東アジアに関する様々な専門領域から、新たな実践知を目指すジャンルをこえた超域的な分野まで、学内外からの意欲的な投稿を歓迎します。募集する原稿の種類、締切、送付先等は以下のとおりですが、投稿に際しては別添の「投稿規定」に詳細が記されていますので、それにもとづいてください。

[JunCtureとは]

JunCtureというタイトルには、日本文化(Japanese culture)を、学際的かつ国際的な研究課題の結節点(juncture)として捉えようという意味合いが込められています。

[募集する原稿]

(1)研究論文
(2)研究ノート
(3)その他 レヴューなど。

[投稿締切]

2024年9月1日(木)必着

[問い合わせ先]

464-8601 名古屋市千種区不老町
名古屋大学大学院人文学研究科
超域文化社会センター
『JunCture 超域的日本文化研究』編集委員会
問い合わせ先:ctcs@hum.nagoya-u.ac.jp

[『JunCture 超域的日本文化研究』投稿規定]

1.刊行の目的

『JunCture 超域的日本文化研究』は名古屋大学大学院人文学研究科附属超域文化社会センターの機関誌として、学際的かつ国際的な近現代日本・東アジア文化研究および新たな実践知を目指す超域的研究の成果を掲載公刊するものです。歴史・文学・言語・アート・映像など近現代の日本・東アジアに関する様々な専門領域から、ジャンルをこえた超域的な分野まで、学内外からの意欲的な投稿を歓迎します。

2.投稿資格

本誌は名古屋大学大学院人文学研究科に附属する超域文化社会センターの機関誌ですが、学内外を問わず、どなたでも投稿できます。

3.募集原稿の内容

募集する原稿は未公刊のものに限ります。ただし学会や研究会の予稿集、科学研究費補助金研究の報告書に掲載されたもの、また学位論文の一部は、加筆修正したものに限り、加筆修正前の 既発表原稿をPDFで添付して投稿することが可能です。

4.募集原稿の種類及び分量

募集する原稿の種類は次のとおりとします。

(1)研究論文

独創的な知見を含む学術研究論文。8,000字(400字詰原稿用紙換算20枚)程度から16,000字(400字詰原稿用紙換算40枚)程度とし、20,000字(400字詰原稿用紙換算50枚)を上限とします。

(2)研究ノート

研究・アートの動向の展望、資料紹介など。8,000字(400字詰原稿用紙換算20枚)程度。

(3)その他

映画・展覧会・アート・メディアなど関連領域に関するレヴューなど。4,000字(400字詰原稿用紙換算10枚)を上限とします。

5.募集原稿の言語及び書式

募集する原稿は原則として日本語とします。書式の詳細については、執筆要項をこちらからダウンロードして、これに従ってください。JunCture執筆要項_20230301改定.pdf
本誌は横組みを基準としますが、原稿の内容や性格から編集委員会が必要と判断した場合は縦組みでの掲載の希望も認めます。著者名を伏せて査読を行うため、原稿および英文要旨には、著者の氏名や所属は記載しないで下さい。謝辞等についても別紙(次項6(3))に記載して原稿には記さないで下さい。

6.原稿の提出

投稿に際しては、Eメールに、原稿を含む次のものを添付してお送り下さい。
・原稿[冒頭に注を含めた総字数(または400字詰原稿用紙換算枚数)を記入、PDFファイル]
・5つ程度のキイワード(日本語・英語)と英文タイトルおよび英文要旨(300語程度)を記した別紙[様式自由]
・論文題目、著者の氏名(よみかた)・所属・職名(共著の場合は全員)、住所・Eメールアドレス(共著の場合は代表者)を記載した別紙[様式自由]

送付先:ctcs@hum.nagoya-u.ac.jp
原則として一週間以内に、投稿受理の返信メールを送ります。投稿受理の返信メールが届かない場合は、再度ご連絡下さい。

7.著作権

本誌に掲載された論文などの著作権は著者に帰属するものとします。ただし、超域文化社会センターは、本誌に掲載された原稿を電子化その他の複製の形態で公開する権利を有するものとします。電子化または複製などによる公開については,採用が決定した段階で承諾書を提出していただきます。著者が掲載原稿を自身の著作物に掲載したり電子化するなどの手段で公開する場合は、その原稿が『JunCture 超域的日本文化研究』に掲載されたものであることを、号数などを含めて明示してください。その場合、編集委員会にご連絡をお願いします。

8.掲載図版等の著作権

掲載を希望する図版等については出所を明記してください。図版等の掲載の許諾については著者が行い、著作権問題が生じた場合には著者が責任を負うものとします。論文の掲載が決定した場合、著者にはこのことについて、「著作権に関する確約書」を編集委員会の求めに応じて提出していただきます。

【採否及びその通知】

採否とその通知の対応は以下のとおりです。
採用(ただし字句・表現などの修正を求める場合がある)。
改稿を求めるコメントを付け、当該号への再投稿を促す(再審査を行う)。
不採用。コメントを付けて次集以降への再投稿を促す。
不採用。コメントを付けない。

【編集委員会・査読委員・Editorial Advisors】

編集委員会は編集委員によって構成され(必要に応じて査読委員の出席を求めることがあります)、発刊号ごとに委員より編集委員長を選出し、編集委員長は当該号の企画編集に関する責任を負います。編集委員は超域文化社会センター所属教員によって構成し、必要に応じて増員することがあります。査読委員は学内外の研究者に依頼し、担当する専門領域での投稿があったときに編集委員と2人一組で査読にあたります。Editorial Advisorsは国内外の研究者数名に依頼し、編集に参与として加わっていただき、雑誌の企画や投稿者の推薦などに関する助言と提案をお願いしています。

『JunCture 超域的日本文化研究』(第15号)
編集委員会

[編集委員長]

飯田祐子(日本近現代文学)

[編集委員]

河西秀哉(日本近現代史)

グル―ノ・トリスタン・ロバート(日本近現代史)

星野幸代(中国近現代文学・舞踊史)

藤木秀朗(映像学)

[査読委員]

投稿論文の分野に応じて編集委員会が委嘱する

[Editorial Advisors]

池田忍(千葉大学教授、美術史)

酒井直樹(コーネル大学教授、思想史)

四方幸子(東京造形大学特任教授、メディアアート)

陳力衛(成城大学教授、日中言語交渉史)

坪井秀人(早稲田大学教授、近代文学・文化史)

成田龍一(日本女子大学教授、近代史)

細川周平(国際日本文化研究センター教授、大衆文化史・移民文化)

ミツヨ・ワダ-マルシアーノ(京都大学教授、映画研究)

464-8601 名古屋市千種区不老町

名古屋大学大学院人文学研究科

超域文化社会センター

JunCture 超域的日本文化研究』編集委員会

問い合わせ先:ctcs@hum.nagoya-u.ac.jp

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